子供たちからの約4,000もの声に、県全体で真摯に回答!岩手県の教育振興計画策定に向けた子供からの意見聴取の取組に注目👀~教育振興基本計画×実践事例・第5弾~
各自治体の教育振興基本計画策定に向けた取組のご紹介、今回は岩手県です。
作家の宮沢賢治や野球の大谷翔平選手など、様々な分野で目覚ましい活躍をする人材を輩出している岩手県。
令和6年度に60周年を迎える地域ぐるみで子どもたちを育む「教育振興運動」と、13年前の東日本大震災津波の経験や教訓からから得られた3つの教育的価値(「いきる」「かかわる」「そなえる」)を育む「いわての復興教育」という独自の教育活動を推進しています。
約4,000の声が届いた・・・!
岩手県では、岩手県教育振興計画が2024年3月に策定されました。計画の策定プロセスにおいて行われた子供からの意見聴取では、約4,000もの声が届いたとのこと!今回は岩手県教育委員会の担当者の方に、子供からの意見聴取を行うにあたっての意図や狙いなどをインタビューしました🎤🙍
これから子供からの意見聴取を行う予定の自治体の皆さんの参考になりましたら幸いです。
詳細:岩手県 - 子どもからの意見聴取について (pref.iwate.jp)
――県内から4,000件もの意見が集まったとのこと、すごいですね!実施にあたり、工夫されたことはありますか?
想像以上にたくさんの意見をいただきました。工夫したことは大きく2点です。1点目は、ウェブアンケートにしたことです。個人や学校で配布されている端末を活用してURLやQRコードから手軽にアクセスできるようにしました。2点目は、アンケート開催期間をあえて夏休みに入る時期から夏休み明けの1週間程度までに設定したことです。
――実施のタイミングにも狙いがあったのですね。アンケートの周知についても、小学校高学年用、中学生用、高校生用、教職員用とチラシが分かれていました。
そうですね。伝わるような工夫をしました。
また、アンケートの回答を通常の授業期間に依頼をすると、学校に回答させなくてはいけないという義務感や責任感を与えてしまい、先生方への負担や回答を希望しない子供が回答しなければいけなくなることを心配しました。夏休み中や夏休み明けであれば、声を届けてみたいと思う子供たちが端末を活用して自由に回答できますし、子供たちにぜひ考えさせてみたいと思う先生方にとっても余裕を持って準備していただけるのではないかと考え、この期間に設定しました。子供たちに主体的に回答してほしいという気持ちが大きかったですね。
――アンケート結果を見ると、かなり具体的な意見が多かった印象です。
アンケートの構成についても考えました。子供たちから意見をたくさん聴きたいが回答が負担になってしまっては意見が集まらないだろうと考え、意見を自由記載にしてもらうスタイルにしつつ、全てに回答してもらうのではなくいくつか挙げたトピックのうち興味のあることについて回答してもらう方式にしました。
――子供たちからの回答に対して、県教委からのお返事や、参考情報のURLの案内などもありましたね。
回答した側としてはやはりコメントがあった方が嬉しいと思うので、県教委からのお返事を記載しました。教育委員会だけではお答えできないような、例えば地域全般のことについては、知事部局にも協力をしてもらってお返事しています。教育委員会だけでなく、県全体で子供からの意見に向き合うことができたかなと思います。
――まちづくりの部署や、福祉の部署などからも、メッセージがありますね!
普段は子供とのかかわりがあまりない部署も、子供たちからの意見を真摯に受け止めて回答してくれました。大変でしたが、やってよかったなと思います。
高校魅力化をnoteで発信
――「進学に関すること」のページを拝見していて興味深いものを見つけたのですが、岩手県教委さんもnoteをやっているんですか?
はい、そうなんです!岩手県教委が進めている「高校魅力化」の取組を、noteで発信しています。県教委のアカウントが、全県立高校のアカウントを集約し、プラットフォームとして機能することで、各校が発信する魅力ある取組記事の視認性を高めています。
国の計画でも、大きなコンセプトの一つとして「持続可能な社会の創り手の育成」が掲げられていました。岩手県でも、持続的な発展が可能な地域社会を形成するために、県立学校の高校魅力化を通じて、地域の担い手育成に取り組んでいます。本県の教育振興計画の大きな取組の視点の一つにも記載しているところです。
――コンテンツが豊富ですね。各県立高校のアカウントも一覧になっています。3月は東日本大震災関連の記事も多いですね。写真も多いので、学校生活のイメージが湧きやすいですね。進路を考える中学生にとっても有益だと思いました。
そうなんです。まだまだ認知度を高めていけると考えており、このnoteの周知を広げていくこともこれからの課題の一つです。
――聴いた意見に対して、回答しているよ!ということは子供たちにはどのように伝えるのでしょう?せっかくなので、ちゃんと子供たちの声が大人に届いたことを伝えたいですよね。
子供たちが卒業してしまう前に!と思い、2月に学校経由で、いただいた意見に対して県からの回答をまとめていることをチラシで伝えています。
――本日はお忙しいところいろいろお聞かせくださりありがとうございました!!
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“聴く姿勢は学校現場でもあるが、聴いて終わりにしたくなかった”という県教委の担当者の思いが、丁寧なお返事という形で具現化されていました。これも一つの「対話」の形だと思いました。
年度末のお忙しいところインタビューに御協力いただきありがとうございました!
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