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“面白そうだね、やってみよう”が合言葉!北海道の高等学校遠隔授業配信センター、T-baseで活躍する先生たち

第4期教育振興基本計画の2年目がスタートしました。
今回は、北海道の取組を紹介します。

日本の約5分の1の面積を占める北海道。希望の進路や専攻によって様々な科目設置が行われる高等学校では、1つの学校で全部のニーズに対応することは大変です。そこで北海道が行っているのが、配信センターからの遠隔授業配信。センターの名前は、“T-base”。

職員室に座席がない?
そもそも先生方の出張が多く、みんながそろうことが少ない?
そんな中でも情報共有はリアルタイム?
メタバース空間を使った授業にも挑戦?

などなど、気になる情報が盛りだくさん!本記事では、T-baseの特徴や魅力を紐解いてみたいと思います。


4月某日のT-base。ある先生が新しいアイディアを活かした授業をしているというチャットが流れたのでみんなそちらに行ってしまい、職員室は空っぽです。職員室はフリーアドレス制で、好きなところに着席するとのこと。

職員室の様子

「基本的には札幌にあるここ、T-baseから遠隔授業を配信しています。ですが年に2回は現地に赴いての対面授業も実施します。受信校は31校あるので、月の半分くらいは出張になる先生もいます。」

このように話してくれたのは、T-base次長の佐藤先生。

「出張がないときは、主体的に研究授業を実施する先生が多いです。研究授業についてのアナウンスはチャットで送られてきますので、好奇心旺盛な先生方が集まって参観し、事後の情報共有もチャットで行っています。昨年度は26回の主体的な授業公開がありました。
必要に応じて行われるミーティングでは、議題もチャットで共有し、資料もクラウド上に格納します。先生方は各自の端末から資料を見るので、ペーパーレスで行うことができています。」

先生方の主体的な研究授業から、メタバース空間を使った授業も生まれたそうです。

遠隔授業配信を行っている様子

「対面で授業ができない分、先生たちは様々な工夫をして、子供たちに深い学びを届けられるよう、努力してくれています。今年は地域の美術館も巻き込んで、2校合同で書道の鑑賞の遠隔授業を行いました。」

美術館とも連携!遠方だと行きたくても行けない生徒さんもいらっしゃるかと思うので、そういう意味でもオンラインの活用は可能性が無限ですね。それにしても先生たちの主体性に脱帽です。なぜこのような取組ができているのか、意識している点について聞いてみました。

「これと言って特別意識していることはないのですが、強いて言えば、“面白そうだね、やってみよう”と、提案を歓迎し、みんなでワクワク感の共有を楽しむことでしょうか。」

先生方同士で、よりよい配信の方法について実験をしている様子

提案を受け入れてもらえて、一緒に考えてもらえると思えれば、先生方のアイディアもどんどん出てきそうですね。先生の心理的安全性が確保されていることがわかりました。
今回の教育振興基本計画では、ウェルビーイングの向上を掲げていますが、その中では、子供だけでなく、教師のウェルビーイングについても言及しています。先生のウェルビーイングが高い職場の一例になるかもしれませんね。

「先日偶然、センター長からも、“T-baseの先生方は心理的安全性が確保されているね”と評価されたところでした。心理的安全性について、あまり意識していませんでしたが、“面白そうだね、やってみよう”は大事な合い言葉なのかなと思います。」

T-baseのキャッチコピーは、”夢は、地元でつかみ取る。” 
家から遠い学校に通わなくても、地域の学校で学んで夢を諦めない。諦めさせない。先生たちの熱い思いが伝わってきました。
北海道T-baseの佐藤次長、先生方、ありがとうございました!

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